「The Strange Case of Dr Jekyll And Mr Hyde」
恐らく小学生くらいのときに、図書館の棚などで手に取って一度は読んだことがあるこの作品。
そしてあまりにも有名で衝撃的なそのストーリーに、かえって今までちゃんと読む機会が
なかったと思われる、いわゆる「ジキルとハイド」。
ジーキル博士とハイド氏。
この二人がどういう人間で、どういう関係か。
もう世間的にはネタバレもいいところだけど、一応伏せて書くけれど
要するにジーキル博士は人望も厚く、学問を究め、毎晩「書斎でランプの芯を切りそろえて」
いるような、温厚篤実な紳士。
一方、ハイド氏は醜悪な外見に加え、邪悪で残虐な悪のエネルギーに満ちた、
悪魔のようなならず者。
博士の周囲の人や、街の人たちはこの二人の出現に惑わされ、恐れおののくのです。
前半、ハイド氏の奇行の描写は鬼気迫るものがあるのですが、
最終章のジーキル博士の失踪と残された陳述書の中身を読むと
人間の弱さや悲しみがひたひたと押し寄せてくるのです。
あるサイトでこの作家を読むきっかけをいただいたのですが
大人になってから読んだことに意味があるのだろうと思います。
きっと子どもの頃はただ怖いという感想しか持てないことでしょう。
恐怖の裏に隠れた悲しみがわかるのは大人ということなのかもしれません。
ジーキル博士とハイド氏/R.L.スティーブンスン 128P
1994年11月16日発行
お気に入り度:
★★★☆☆<あらすじ>この本が初版だからでしょうか?
あろうことか表紙にあらすじと言う名のネタバレ全開・・・
写真にぼかしを入れてみました。笑
街中で少女を踏みつけ、平然としている凶悪な男ハイド。彼は高潔な紳士として名高いジーキル博士の家に出入りするようになった。二人にどんな関係が?弁護士アタスンは好奇心から調査を開始するが、そんな折、ついにハイドによる殺人事件が引き起こされる。(「BOOK」データベースより)
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